1930年代にフランス・パリで、ギタリストのDjango Reinhardt;ジャンゴ・ラインハルト(1910-1953)とバイオリニストのStephane Grappelli;ステファン・グラッペリ(1908-1997)が始めた音楽です。
彼らを中心としたフランス・ホット・クラブ五重奏(the Quintette du Hot Club de France)は、ジプシーの伝統音楽とスウィング・ジャズを融合させたサウンドで、ヨーロッパを中心に人気を博しました。
the Quintette du Hot Club de France
ジプシージャズをテーマにした映画、2002年「僕のスウィング」(監督+脚本:トニー・ガトリフ)、1999年「ギター弾きの恋」(監督:ウディ・アレン)の公開や、2003年のジャンゴ没後50年に合わせて、2000年代前半にジプシージャズのリバイバルが起こりました。
フランス・サモアでのジャンゴラインハルト・フェスティバルの様子 / 撮影:ニシウラトモアキ
■近代のギタリスト
・Bireli Lagrene(ビレリ・ラグレーン)
・Tchavolo Schmitt(チャボロ・シュミット)
・Stochelo Rosenberg(ストケロ・ローゼンバーグ)
・Angelo Debarre(アンジェロ・ドゥバーレ)
・Jimmy Rosenberg(ジミー・ローゼンバーグ)
■現在のギタリスト
・Adrien Moignard(アドリアン・モニャール)
・Sebastien Giniaux(セバスチャン・ジニョー)
・Gonzalo Bergara(ゴンザロ・ベルガーラ)
・Rocky Gresset(ロッキー・グリセット)
・Antoine Boyer(アントワーヌ・ボイヤー)
現在は、伝統的なジプシージャズサウンドにコンテンポラリーなジャズの要素を入れた素晴らしい技術を持った若手が多く台頭しています。
1931~1933年にセルマー(Selmer)社へ在籍したギター職人(ギタリストでもある)マリオ・マカフェリ(Mario Maccaferri)氏によって、Dホールデザインのギターが作られました。
マカフェリ氏がセルマー社を退職後、1936年よりオーバルホールデザインのギターが発売。
セルマー社で、ギターは1952年まで作られましたが、生産本数は計1,000本あまり。そのため現在ではオリジナルは、数百万円で取引されます。
ジャンゴはシリアルナンバー503番のSelmerギター(写真)を生涯にわたり使用。
※このギターは現在、フランス・パリの音楽博物館(Cite de la musique )で所蔵・展示されています。
撮影:ニシウラトモアキ
■普通のギターと何が違うの?
・使っている木材は、一般的なアコースティックギターと基本的には一緒です。
・細かい部分で、当時の最新技術(合板、ゼロフレット、ブリッジ等)を使用。
・内部の構造や材の厚さなどから、独自の哀愁漂う音色を生み出します。
・現在は、世界中の製作家がレプリカを製作(廉価版は3万円くらいからあり)。
・独特の【奏法】や【演奏スタイル】も、このギターを弾きこなす上でとても重要です。
■その他いろいろ
【弦】スチール製ですが、マカフェリギター専用のものを使います。
【ピック】多くは2~3mmくらいの分厚いものを使います。
※マカフェリギター関連に力を入れている楽器店は、大阪・心斎橋「ストリングフォニック」、千葉・柏「ギターショップTANTAN」などをご覧ください。
※本ページは、2016年10月30日開催の広島市東区民文化センター” Touch of JAZZ with マカフェリ・ギター ! ”(講師:ニシウラトモアキ)講座内での配布資料より作成しております。